樹木内部の腐朽と倒木について　〜3D樹木精密診断〜

今回は、樹木の腐朽診断についてのお話です。

先日倒木の被害があった東京都品川区の正徳寺様からご依頼をいただき、20.0mのケヤキの樹木精密診断を行いました。

状況としては、お寺の建物のすぐそばにケヤキが位置しており、根株から白色根株腐朽菌であるベッコウタケの子実体(キノコ)が発生していました。

7月に敷地内のエノキの大木が倒木しており、念の為、他の大きな樹木も外観診断を行ったところ、ベッコウタケが見られたため、今回の精密診断をご依頼いただきました。

精密診断の流れとしては、外観診断、木槌による打診診断、貫入試験用鋼棒による貫入試験の後、アーボソニックによる3D樹木精密診断となります。

最初の打診診断時点で、かなりの腐朽が疑われる結果となりました。

続いての貫入試験は、L=50cmの綱棒を使用しましたが、根株に全て貫入してしまうほど、腐朽が進んでいました。

精密診断結果は画像の通り、根株の69%が腐朽しており、倒木の恐れが著しく高いという結果になりました。

そのため、検討した結果、伐採を実施することになりました。

クレーン、高所作業車、トラックが入れないため、全て人力での伐採、搬出になります。

高難易度で大掛かりな作業となりますが、安全に作業を進めていきます。

根株の普及が50％を超えると倒木の可能性が高くなってきます。

このケヤキの重量は想定10t以上で、倒木した場合、人命を奪う恐れもあります。

近年の夏の暑さで樹木が弱り、腐朽が発生し、台風等で樹木が倒木するケースが増えています。

倒れてからでは遅いため、不安な際は、早めに樹木診断をご検討ください。