お寺のエノキ大木倒木。〜キノコ(腐朽菌)による根の腐り〜

今回は樹木の倒木についてのお話。

 

品川区のお寺からお電話があり、樹木が倒木したため、一刻でも早く伐採の対応をしてほしいとのことでした。

 

現地を見に行くと、お墓にエノキの大木が倒れており、側に建物、電線がある状況だったため、転がっただけで二次災害に発展する恐れがありました。

 

幸い調整可能な現場があったため、次の日から作業させていただきました。

 

作業前には、お経を唱えていただき、お酒でお清めもさせていただきました。

 

倒木したエノキを観察すると、幹の部分に腐朽菌の子実体(キノコ)や腐りは、ほとんど見られませんでした。

 

しかし、根には腐りがかなり入っており、1本の太い根で支持されていた様です。

 

倒木の伐採は、どこに荷重がかかっているのかを見極める必要があるため、細い枝葉を少しずつ取り除いていき、慎重に進めていきます。

 

枝葉の状態は良好で、特に弱っている部分はありませんでした。

 

幹の方を伐採していくと、根に近づくに連れて腐り部分が大きくなっていきました。

 

チェンソーで切断していても抵抗がなく、刃が簡単に入っていくほどでした。

 

樹木全体の重さは6t以上もありましたが、奇跡的にお墓の被害も少なく、安全に作業を完了しました。

 

今回の件で、樹木診断の大切さを学びました。

 

目視だけだと、見えない部分も多いため、専用診断機を用いた樹木診断を積極的に行っていきます！！